令和4年度11月に上田滋夫前理事長のご逝去後、理事長に就任させていただきました。改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。創業者である花嶋先生、古市先生、上田前理事長に続く、第4代目の理事長就任にあたり一言挨拶をさせていただきます。
平成6年に処分場に関わる技術者の上下の隔たりを超えて議論し、よりよい最終処分場技術を切磋琢磨するために、本協会は設立されました。平成12年には「廃棄物最終処分場整備の計画・設計要領」(全国都市清掃会議編)の作成協力を行うなど、最終処分場に関する技術の向上に貢献して参りました。平成13年に「最終処分場技術システムの研究及び普及啓発に関する事業を行い、地域環境の保全、国民生活の向上に寄与」することを目的にNPO化を行い、品川に事務所を開設し現在に至っております。
私たちの活動は、最終処分場に関わる調査・研究事業をメインにしており、その成果の出版物も多数あります。特に「廃棄物最終処分場新技術ハンドブック」「廃棄物最終処分場遮水システムハンドブック」「クローズドシステム処分場技術ハンドブック」は、この分野のバイブルとも言えるものです。さらに昨今は、最終処分場機能検査に力を入れております。機能検査者資格の認定、機能検査制度の普及、機能検査の実施を行って参りました。貴重な最終処分場を、安全・安心に少しでも長期間利用するためには、機能検査が重要であることは、上田前理事長が発信してきたところです。また当協会は、韓国Sudokwon Landfill Corporation (SLC)とMOUを締結するなど国際的な活動も行っており、2年に1度、アジア太平洋埋立国際会議(APLAS)を開催しております。
最終処分場に限らず、環境・経済・社会がめまぐるしく変化する中、廃棄物の適正処理を担保する最終処分場は、世界にとって必要です。今後も、この世界にとって必要な技術の向上と普及に努めていきたいと思っています。そして、人類の課題とも言うべきカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーへ貢献し、将来の持続可能な社会の構築に貢献して参ります。
皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。
理事長 石井一英